料理人見習いの厳しい修行時代のお話

飲食業界

 

この記事では料理人に興味があるけれど実際どうなんだろう?

厳しいと聞いているけれど自分に耐えられるか不安だ。

ブラックな仕事らしいけど仕事内容、給料、労働時間は?

そんなあなたに見習い経験者の私がすべて書きました。

この記事で料理人の仕事が伝わればうれしいです

16歳で料理人見習いになりました

飲食店との出会いは高校1年生の時おこづかいを稼ぎたくて通学路沿いにあったレストランで

ウエイターのアルバイトをしていました

当時、時給410円

 

 

 

 

 

平日は18:00~21:30

日曜日は11:00~1時間休憩挟んで21:00まで働いていました

 

 

世間知らずの僕の目には

コックさんってフライパン振って、カッコイイし、料理するだけで楽な仕事だなっ

ぐらいの認識でした。※後に地獄を見ます

 

当時1ヶ月間ガッツリバイトに入っていたので

高校生には大金の6万円位の給料でした。

 

色々あって高校を中退しアルバイト生活をしていました

そのお店で見習いとして入社のお誘いがありました。

その時雇用条件の確認もしないで

夕方からのバイトで6万だから

社員でフルタイムなら倍以上の15万はあるだろう

と皮算用して入社を決めたのでした。

※そのお店は会社で運営していて県内に10店舗あるうちの一つでした。

会社で新たに出店する計画があるので学校行かないのなら働かないか?

と店長から話があったのです。

僕には交通手段が自転車しか無く旗艦店に通えないので僕を受け入れる為に

会社で一番のチーフ料理人とセカンドチーフが

僕の勤務する店に異動してきました。

見習い初日に店に行くと全員

(店長、社員の女性、チーフ、セカンドチーフ、パートさん)が

今までとは全く違う態度で超恐ろしかったです。何かと怒られる。

どうやらアルバイトの時はお客さん扱いだったようです。💦💦

勤務時間も料理人見習いは朝10:00~23:00のラストまでと言うことでした。

調理師見習いは仕事は見て覚えろ!

二日目からいよいよ本格的に修行が始まりました。

言われた通り10:00に出勤すると遅いとセカンドチーフに怒られました。

見習いは誰よりも早く出勤してゴミ箱やダスターまな板をセットして

掃除しながらチーフをお迎えするものだと教わりました。

その後じゃがいもと玉ねぎの皮むきとダスターの洗濯の仕事が与えられました。

料理は見て覚えろとのことでした。

えっ???教えてくれないの~?

ランチタイムが始まるまでに自分の仕事を片付け

ランチの準備と仕込みに使用した鍋や釜の片付けをして

開店後はライス、サラダ、スープの盛りつけと配下膳の手伝いと食器洗い

と鍋洗いをして14:00のランチ終了と共に賄いそして休憩の流れですが

自分の仕事が終わらないと賄いも休憩もありません。とにかく必死でした

夕方休憩が終わるとディナーの準備です。

チーフとセカンドはテキパキと仕込みをします。

二人共見習いの僕に指示はしてくれません。

良く見ていて鍋やフライパンをさっと洗いに行きます。

その合間に仕事をチラ見、

でも怒られます邪魔、どけ、などなど💦💦

 

23:00で閉店するとチーフは帰ります、

後片付けは初日だけはセカンドが一緒に教えてくれました。

明日からは一人でやるとのこと。

教えてもらいながらでも二人でやると40分くらいで終わり帰宅しました。

かなり疲れたけど明日は教わった事を一人でやらないといけません。

 

遅くて間に合わない

 

 

翌日は少し忙しくてランチタイムは主にホールを手伝いました

アルバイトの時にホールしていたので

常連のお客様に「頑張れよ」と励まされたり

「お金をもらいながら仕事を教えてもらえるんだからありがたいと思いなさい」

と言われたり

皆さまに気を掛けて頂き嬉しかったです。

仕事が遅くて

洗い物も自分の割り当ての皮むきも終わらず

皆が休憩している時に作業していたら店長が話しかけてくれました。

早く出来ないのなら工夫しないと料理覚える時間なくなるよ。と

確かにチーフは忙しい時間帯にしか居ませんので

その時間帯しか調理している所を見るチャンスはありません。

朝早く来て自分の担当の仕事を片付けるしかありません!

凄いことに気付いたようで次の日が待ちどうしくてワクワクしました。

翌日朝8時に店に行きセッティングと皮むきは終わらせておきました

チーフが出勤して来て褒められるかと思いきや

電気代がもったいないと怒られました。厳しいー。

見習いになってからの初給料日

給料15万円と勝手に皮算用していた僕は給料の使い道を考えながら

ワクワクして給料日を迎えました。

店で皆さん店長から明細書を受け取っていましたが

店長からkotaには帰りに渡すからなっ!とおあずけをくらいました。

そして片付けが終わった24時頃、店長と客席に座り明細書を受け取りました。

ワクワクしながら見てみると・・・・・・

 

 68000円 ???

 

店長が哀れむような目で見つめて来ます。

そもそもこの会社に誘って来たのも店長だし

飲食業は絶対潰れないから大船に乗ったつもりでいろよ

と言ってきたのも店長でした。

仕事を覚えれば給料も上がるし俺も協力するから頑張れ

と言われましたが

ショックは大きかったです

朝8時から夜12時まで誰よりも働いているのに

アルバイト時代と変わらない給料で凹みました

 

そう言えば約1ヶ月間1日も休んでない事にも気付きました😱😱😱😱😱

常連さんの言葉が身に染みるけど世の中の不条理を身を持って体験した日でした。

当時はまだブラック企業なんて言葉なかったしと。。。

 

 

暴君がやって来た

 

 

 

そんなこんなで3ヶ月が過ぎ

新店がオープンすると言うのでチーフとセカンドが新店に異動し

違う職人がやって来ました。

その人は異動後の初出勤日に

いきなりゴミバケツを蹴り飛ばしたり

フライパン投げたり

と大暴れした挙句に

俺のことを親方と呼べっ!

いや、やはり兄さんと呼べっ!

と威張りだたのでしたorz

確かに以前のキッチン2人と見習い1人体制から

1人と見習い1人体制で負担は増えたけど・・・

新店以外はどこも社員1人とバイトでキッチン回しているのだし

僕だってバイトよりは仕事覚えてるし使えると思いますよ。と僕の心の声

 

でもこの方少し忙しくなると、テンパって手が震える有様

道具を投げる

蔵庫の扉を乱暴に閉める

菜箸でペシペシ叩く

など物や僕に当り散らすのでした。

そのくせ僕が料理している所を見て覚えようとすれば

横を向いて隠すし

鍋に残ったソースの味見しようとすれ

嫌がらせのように自分で洗ってしまう

人間の小ささも天下一品の最悪暴君だったのでした。

職場放棄事件発生

飲食店を多く展開している会社だったので

部長、課長、係長は全員料理人でイザとなればキッチンも出来る人達でした

お店もステーキ店、中華、和食、洋食店、甘味処、ラーメン店、居酒屋

と色々あったのでヘルプと称して全部の店に手伝いに行かされ、

それぞれの料理長に可愛がってもらい

その時に和食や中華も覚えました。

だから暴君に教わらなくてもメキメキ仕事は覚えることが出来ました。

入社して1年経ったある日ディナーもそろそろ終わる21時頃

8名様の家族連れのお客様が来店しました。

暴君はピーク時間過ぎてホッとしていたのか

そのお客様を見るなり急にイライラし始め

訳のわからないことを言って僕に絡んで来たのです

そして表に出ろと怒鳴り外に連れ出されました。

 

殴られるのかと身構えたところへ

店長が心配して見に来てくれました、

店長を見た暴君は殴るのをやめて僕に帰れっ!と怒鳴りました。

 

しかし僕は絡まれただけで帰る理由もないので

 

反抗して嫌ですと言いました。

 

すると興奮した暴君はお前が帰らないならオレが帰る!

と店長の制止も振り切って車で走り去っていってしまったのです。笑

 

残された僕は店長と二人で先ほどの8名の家族の注文された料理を作って出しました。

ひょんな事からお客様にお料理を提供するデビューを果たしたのです。

さらにお客様に「ご馳走様おいしかったよと言って頂けました」

その時の感動は今でも覚えています。

 

今思い返せばひどい料理でした。

その時のお客様ゴメンなさいm(_ _)m

 

この職場放棄事件のせいで暴君は飛ばされて

料理長(チーフ)が変わりました。

 

今度は30代の、でも入社10年の若手のホープです。

その方とは年齢も近かったので気を許したのですが

無口な職人だったので

何を考えているのかわからないところが緊張ポイントでした。


一度ふざけて絡んだら

胸ぐらを掴まれふざけるなっ。と凄まれたことがありました

チビリそうになるくらいの迫力でした


やっぱり若くても職人はメンドクサイです。💦💦

料理人見習いには2年間休みが無かった件

会社の方針でしっかり皆で休みを取ろうという事になりました。

人が少ないので休むために係長が料理長の休み交代で巡回し

部長が店長の休み交代で巡回して

交代で店長と料理長は休んでいました。

一方見習いで仕事を覚えて楽しくて仕方がなかった僕は

積極的にヘルプの申し出を引受けて

中華、和食業態に週1~2回の頻度で手伝いに行き

更に早番の交代で夜8時に他のステーキ店に行き

そこの料理長を帰らせる事をしていました。

他店のチーフの仕事や冷蔵庫の中、清掃のキレイさなど

とても勉強になりました。

 

しかし先輩の職人の中には「お前いい気になるなよ」とか

見習い小僧の癖に」とか

目をつけられ文句を言われることもありました。

でも僕は小さい人たちだなぁ位で気にもとめていませんでした。

そんなある日店に係長から電話があり

kota君2年間も休みとっていないのが問題になっているから

来週休みなさいと命令が下りました

別に残業手当が出ている訳でも無いのに問題だなんて

大げさだなぁと思いつつも

内心嬉しくて休みには何をしようかと約1週間ワクワクが止まりませんでした

 

そして1週間後、休みの前日にルンルンで片付けしていた時に

係長から電話があり

「○○さんのお子さんが倒れて休ませなきゃだから明日の休みはナシでっ!」

サヨナラ逆転満塁ホームランを喰らったピッチャーの気分を味わせて頂きました!😱😱😱

理不尽すぎるー

 

これ作り話ではなくて実話ですよ。

 

でも当時は

ブラック企業なんて言葉無かったんです・・・。

 

ついに料理人見習い卒業か?一人でお店を任されました

 

 

 

入社3年目になり最後に出店した店の売り上げが伸び悩んでいる事と、

ある大型店の改装をすることになり大規模な異動がありました。

僕は車の免許も取り車で通勤していましたので

通勤の障害も無くなくなっていたので

ついにキッチンを一人で任せてもらえることになりました!

 

祝!見習い卒業~

 

(・ω・ノノ゛☆パチパチ

 

確か6月だったと思います。

 

苦節3年。これでやっと給料も1人前にもらえるとほくそ笑んでいました😆

もちろんそれまでも1年に1度昇給はあり

毎年5000円くらいは月の総支給は増えていましたが

2年目からは住民税が引かれるとかで

実質の手取り金額の上昇は微々たるものでした。

 

異動後2ヶ月経っても給料が増えないので、

店長の休みの交代で来ていた部長に勇気を出して聞いてみました

 

「あのーしょしょ昇給はないんですか?」

 

すると部長いわく「kota君当社の昇給は5月だよっ。」

 

 

またもや理不尽を味わう僕でした

 Ω\ζ°)チーン

まとめ

  • 職人は上下関係が厳しい
  • 見習い料理人には労働時間なんて関係ない
  • 見習いの給料は激安
  • 一緒に働く職人の性格で環境は変わる
  • 料理人の修行に終わりは無い

だからと言ってしまえばそれまでですが、今でも職人気質の人の割合が多い業界ですのでまだまだホワイトとは言えません。

 

飲食業は製造&販売業なので

 

忙しいと材料がなくなり仕込みも増える

洗い物も増えると倍々で仕事量が増えます。

逆に暇だと掃除くらいしか仕事が無くなる。

など極端に差があるので簡単に人も増やせません。

ブラックが宿命の業界が飲食業です。

でも今は料理人の世間の評価も上がり社会的な地位は昔よりずっと良くなりました。

昔は飲食業は水商売と言われ信用がなかったのです。

底辺の職業扱い。

なので結婚や車の購入、アパートを借りるのにも苦労しました。

その前に、そもそも出会いがありません。

今は拘束時間は長いけど休みあるしねっ(*^^)v

そんな料理人見習いの厳しい修行時代のお話でした。

終わり

 

 

タイトルとURLをコピーしました