こんにちは。「KOTAライフ」の運営者「KOTA」です。
子供の頃、私にとってクリスマスといえば、イブの夜に食べる甘いケーキと翌朝の枕元にあるプレゼントがすべてでした。
しかし、35年以上にわたり料理人として厨房に立ち続けてきた私にとって、クリスマスの景色は少し違ったものでした。
1年で最も忙しい「戦場」のような夜になり、まだ天皇誕生日が重なっていた頃は、まさに日本中がお祭り騒ぎだったのを鮮明に覚えています。
厨房の熱気、オーダーを通す声、そしてお客様の笑顔。
それが私にとってのクリスマスの原風景です。
以前、厨房の若いスタッフに「今年のクリスマス、彼女と過ごすのかい?」と何気なく包丁を研ぎながら聞いてみたことがあります。
すると彼はきょとんとして、「え、クリスマスは25日でしょう?平日は何もしませんよ。キリスト教徒じゃないですし」とあっけらかんと答えました。
その時、世代間のギャップに驚くと同時に、少し寂しさを感じた記憶があります。
「そうか、平日は盛り上がらないのか」と納得しつつも、やはり特別な日であってほしいという願いがあったのかもしれません。
現役を引退した今は、正直「ああ、またこの時期か」と思うこともあります。
仕事でへとへとになっていた頃の「苦しみます」なんていう自虐的なジョークも懐かしいものです。
それでも、スーパーの店頭で立派な骨付きチキンや赤と緑のパッケージを見ると、つい料理人の血が騒いでカゴに入れてしまうんですよね(笑)。
プライベートでは、やはりパートナーができると「一生懸命盛り上げよう」と奮起したものです。
仕事上がりで体はクタクタでも、スパークリングワインを開けて、二人でケーキを囲む時間は何にも代えがたい幸福でした。
そんな酸いも甘いも噛み分けた経験を持つ私だからこそ、気負わず、けれど最高に楽しいおうちクリスマスの過ごし方や、家族や恋人、友達との大切な時間の作り方について提案できることがあります。
この記事では、長年の現場経験で培った「段取り・衛生管理・演出」の技術をフル活用し、準備のストレスを減らして思い出に残る一日を作るコツをお話しします。
- 子供から大人まで夢中になれるゲームや空間演出のアイデアがわかります
- コストコやカルディを活用して料理の手間を賢く省くコツが掴めます
- カップルや友人と過ごす際に気まずくならない会話や余興の工夫を知れます
- 元料理人の視点で選ぶ失敗しないケーキや食材選びの基準が身につきます
誰と楽しむ?おうちクリスマスの過ごし方ガイド

クリスマスを誰と過ごすかによって、準備の「段取り」は大きく変わります。
現役時代、レストランでもお客様の層に合わせて料理の出し方やサービスを変えていたのと同じですね。
ファミリーなら子供の飽きない工夫、カップルならムード作り、友人ならシェアのしやすさ。
ここでは、おうちクリスマスでの過ごし方というキーワードで悩んでいる方に向けて、ファミリー、カップル、友人それぞれのシチュエーションに合わせた最適なプランを提案します。
型にはめる必要はありませんが、ベースとなるアイデアがあると当日の進行がグッと楽になりますよ。
子供と熱中できる宝探しゲームのアイデア

小さなお子さんがいるご家庭では、どうしても「プレゼントを渡して終わり」になりがちではないでしょうか。
もちろんそれでも十分楽しいのですが、親としては「もっと記憶に残る体験をさせたい」と思うものですよね。
私がおすすめしたいのは、家全体を使った「宝探しゲーム(Treasure Hunt)」です。
これは単なる遊びではなく、子供の好奇心や思考力を刺激する立派な知育イベントになります。
準備は意外と簡単で、凝った道具も必要ありません。
いつものお菓子や、100円ショップで買える小さなオーナメント、あるいはメインのプレゼントを「宝物」として隠し、そこへたどり着くための「地図」や「ヒントの手紙」を用意するだけです。
この「地図作り」が、実は親にとっても楽しい時間なんです。
例えば、コーヒーや紅茶を染み込ませて乾かした紙に地図を描き、端を少しライターで炙ると(火傷には十分注意してくださいね)、まるで海賊の古地図のような風合いが出ます。
これだけで、子供たちのテンションは最高潮に達します。
隠し場所のポイントは、子供の目線の高さを意識することです。
幼児なら「テレビのうしろ」や「カーテンのなか」など、写真や絵で場所を示してあげると良いでしょう。
文字が読めるようになった小学生なら、「さむいさむい かぜがふく ところ(=エアコンの下)」や「いつも パパが ポケットに いれているもの(=スマホケースの裏)」といった、少し頭を使うなぞなぞ形式にするのがおすすめです。
私なら、あえて「冷蔵庫の野菜室」なんかをゴールにして、夜ご飯に使う食材を見つけさせるかもしれません(笑)。
「自分で見つけた!」という達成感は、ただ貰うだけのプレゼントとは比べ物にならないほど、子供たちの心に深く刻まれるはずです。
カップルで愛が深まるおうちデートの秘訣

「おうちデートだと、どうしても生活感が出てしまって特別感がない」という悩み、本当によくわかります。
私も若い頃、彼女を招くときは部屋の片付けに必死でしたし、洗濯物が見えてしまってムードが台無しになった失敗もありました。
しかし、空間作りにおいて重要なのは、実は片付け以上に「視覚と嗅覚のコントロール」です。
これを私は「ホテルライクな演出」と呼んでいます。
まず、視覚について。
日本の住宅で一般的な、部屋全体を白く照らす「シーリングライト(蛍光灯)」は、この日だけは消してください。
代わりに、フロアライトやデスクライトといった間接照明、そしてキャンドル(安全なLEDタイプで十分です)だけの明かりに切り替えてみましょう。
光源の位置を低くし、色温度を温かいオレンジ色にすることで、部屋の隅にある生活用品や配線コードが闇に溶け込み、見えなくなります。
レストランのディナータイム照明と同じ原理で、二人の表情も柔らかく見え、自然と心の距離が縮まる効果があります。
次に、嗅覚について。
食事中は料理の香りを邪魔しないよう無臭が鉄則ですが、食後のリラックスタイムには香りを取り入れましょう。
「CULTI(クルティ)」のような上質なルームフレグランスや、ウッド系の落ち着いたアロマを少し香らせるだけで、そこはもう日常の部屋ではありません。
また、会話が続くか不安な場合は、あらかじめ「価値観を掘り下げる質問」を用意しておくのも手です。
「もし今日が人生最後の日なら何をする?」や「子供の頃、一番好きだった場所は?」といった、普段は少し気恥ずかしくて聞けないような話も、クリスマスの非日常な空間なら自然に語り合えるものです。
互いの深い部分に触れる会話こそが、最高のギフトになるはずです。
KOTAのワンポイント
無音は緊張を生みますが、テレビの音はムードを壊します。
Spotifyなどで「ジャズ」や「アコースティックなクリスマスソング」のプレイリストを探し、会話の邪魔にならない程度の小さな音量で流しておくだけで、不意の沈黙が「心地よい間」に変わりますよ。
友達とのパーティーは持ち寄りが正解

友人同士の集まりでホストが一人で料理を担当するのは、絶対に避けるべきです。
プロの厨房でも、仕込み・調理・盛り付け・サービスを一人でこなす「ワンオペ」は破綻の元です。
ましてや家庭のキッチンでは、ホストが台所に立ちっぱなしになり、会話に参加できないという事態に陥りがちです。
ここは迷わず「持ち寄り(ポットラック)」形式を採用しましょう。
「前菜」「メイン」「ドリンク」「デザート」と担当を明確に割り振ることで、全員に「パーティーを作っている」という当事者意識が生まれます。
最近のトレンドでは、日程調整ツールの「調整さん」や「TimeRex」などを使ってスマートに日取りを決め、同時にコメント欄で持ち寄り品を宣言して担当料理が被らないようにリスト化するのが主流のようです。
それぞれの得意料理を持ち寄ることで、「これどうやって作ったの?」とレシピ交換という新たな会話も生まれますし、何よりホストが疲れ果ててしまうのを防げます。
「全部自分でやらなきゃ」という責任感は、ここでは手放して大丈夫です。
また、ホスト側の心得として、私が必ず準備しておくのは「冷蔵庫のスペース」と「氷」、そして「ゴミ袋」です。
特に冷蔵庫は、友人が持ってきたケーキや飲み物が入らない!というトラブルが多発します。
前日までに食材を使い切り、スペースを空けておくのが料理人としての「段取り」です。
取り皿やグラスも多めに用意し、自分のグラスがわかるようにマスキングテープで目印をつけるなどの工夫をすると、さらに快適に過ごせますよ。
飾り付けを工夫してホテルライクな空間に

クリスマスだからといって、部屋全体をテーマパークのように飾り付ける必要はありません。
やりすぎるとごちゃごちゃしてしまい、かえって落ち着かない空間になってしまいます。
インテリアの鉄則として、視線が集まる「フォーカルポイント」を1箇所作るだけで、部屋の印象はガラリと変わります。
例えば、テレビの横や玄関の棚の上など、一箇所だけをステージに見立てて飾るのです。
具体的には、大きなツリーを出さなくても、枝物(えだもの・コニファーやユーカリなど)をシンプルなガラスベースに活けて、そこに少しだけお気に入りのオーナメントを下げる。
これだけで、北欧風の洗練された雰囲気が出せます。
私自身の経験ですが、色数を絞ることも大切です。
赤と緑のクリスマスカラーも素敵ですが、あえて「白とゴールド」、あるいは「シルバーと青」など、色を2〜3色に限定すると、一気に大人の空間になります。
これを「配色の比率」で言うと、ベースカラー70%、メインカラー25%、アクセントカラー5%くらいに抑えるのが黄金比です。
そして何より重要なのが、「生活感を隠す」ことです。
ティッシュ箱、リモコン類、読みかけの雑誌、そして家電の配線コード。
これらは、この日だけはクローゼットや蓋付きのカゴの中に見えないように隠してしまいましょう。
料理の盛り付けと同じで、お皿の余白が料理を引き立てるように、部屋も余計な情報を減らすことこそが美しさの秘訣です。
100円ショップのアイテムでも、飾る場所と量をコントロールすれば、十分にホテルライクな演出が可能ですよ。
予算500円のプレゼント交換で盛り上がる

大人同士のパーティーでプレゼント交換をする際、一番の悩みどころが「予算設定」です。
5,000円や10,000円といった高価な設定は、相手に気を使わせますし、選ぶ側のプレッシャーも大きくなります。
また、好みでないものを貰った時の反応にも困りますよね。
そこでおすすめなのが、「予算500円」あるいは「1000円」という、あえて厳しい縛りを設けたゲーム形式の交換会です。
この金額設定の面白さは、参加者の「センス」と「工夫」が試される点にあります。
500円で「良いもの」を探すのは意外と難しいのです。
この予算内で喜ばれるコツは、「自分ではわざわざ買わないけれど、貰うと嬉しいちょっと良い消耗品」を選ぶことです。
例えば、高級スーパーで売っている一杯取りのドリップコーヒーや紅茶、デザインの良い付箋や文房具、あるいは入浴剤など。
逆に、ネタ枠として「ものすごく硬いパン(堅パン)」や「懐かしの駄菓子セット」を用意して、その場の笑いを取るのもアリです。
交換方法もアナログに楽しみましょう。
スマホでクリスマスソングを流し、音楽に合わせて円になってプレゼントを回す。
曲が止まった時に手元にあったものが自分のプレゼント。
こんな古典的なやり方も、大人になってからやると一周回って新鮮で、童心に帰って盛り上がります。
金額のハードルを下げることで、見栄や義務感を排除し、純粋に「選ぶ楽しみ」と「開けるワクワク」を共有できるのが最大のメリットですね。
元料理人が提案するおうちクリスマスの過ごし方と食

さて、ここからは私の専門分野である「食」についてお話しします。
現役時代、私たち料理人はクリスマスのために何ヶ月も前からメニューを考え、仕込みをしていました。
しかし、家庭でそれを真似するのはナンセンスです。
プロの厨房のような火力も設備もスタッフもいない中で無理をしてフルコースを作ろうとすれば、ホストであるあなた自身がキッチンに張り付き、疲れ果てて、パーティーを楽しむ余裕がなくなってしまいます。
それでは本末転倒ですよね。
おうちクリスマスの過ごし方を充実させる鍵は、「市販品の賢い活用」と「一点豪華主義」のバランスにあります。
私が実践している、楽をして褒められる食の戦略をご紹介します。
豪華なクリスマスご飯はコストコにお任せ

メインディッシュをどうするか。
これはパーティーの満足度を左右する重大な要素ですが、私は迷わず「コストコのロティサリーチキン」を推奨します。
丸鶏を家庭のオーブンで焼くのは、温度管理が難しく、生焼けのリスクや焼きムラの心配があります。
何より、あの価格であのボリューム、そして中までしっとり焼き上がった味のクオリティは、家庭で再現しようとすると食材費と光熱費だけで赤字になりますし、下処理から焼き上がりまで半日潰れます。
「出来合いのものを出すのは手抜きでは?」と罪悪感を持つ必要は全くありません。
プロの世界でも、餅は餅屋、パンやデザートなど得意な専門業者に任せる部分は任せます。
おいしいものを適正な状態で提供することこそが正義です。
ただし、コストコのクリスマス時期はまさに戦場です。
混雑を避けるため、開店前の早朝に行くか、あるいは整理券情報の確認が必須です。
もし入手できたなら、持ち帰った後の温め直しにも一工夫しましょう。
電子レンジで中まで温めた後、最後にオーブンで表面を数分焼くことで、皮のパリッとした食感が復活します。
また、鶏肉を扱う際は衛生管理にも注意が必要です。
特に温め直しの際は、中心部までしっかりと熱を通すことが重要です。
食中毒予防の観点からも、お肉の中心温度は75度以上で1分以上加熱することを目安にしてください。
(出典:厚生労働省『家庭でできる食中毒予防』)
食べ終わった後の骨(ガラ)は、捨てずに玉ねぎやローリエと一緒に煮込めば、極上のチキンスープが取れます。
ここまで使い切れば、食材への感謝とともに、料理人としても大満足です。
注意点
コストコのチキンは非常に人気が高いため、クリスマス当日の入手は困難を極めます。
整理券配布が終了している場合に備えて、冷凍保存を前提に早めに購入しておくか、近所のスーパーで代替品のチキンを予約するなど、必ずバックアッププラン(B案)を用意しておいてください。
失敗しない今年のクリスマスケーキ選び

ケーキ選びは、その年のトレンドを如実に反映するアイテムですが、2024年の傾向を見ていると「王道回帰」の流れが強いようです。
一時期流行した複雑なムースや奇抜なフレーバーよりも、誰もが安心して食べられる「ショートケーキ」が再評価されています。
私も結局、子供の頃の思い出があるからか、真っ白いクリームに赤いイチゴが載ったケーキを見ると、一番クリスマスらしさを感じて選んでしまいます。
失敗したくないという心理が働くときは、定番こそが最強の選択肢です。
ここで元プロとして、ケーキ選びで失敗しないための実用的なアドバイスを一つ。
ケーキのサイズ選びで迷ったら、この計算式を思い出してください。
「号数 × 3cm = 直径」です。
つまり、4号なら12cm(2〜3人用)、5号なら15cm(4〜5人用)、6号なら18cm(6〜8人用)となります。
豪華な料理を食べた後のデザートとして考えるなら、少し小さめを選んだ方が、無理なく最後まで美味しくいただけます。
また、食べる直前までの「温度管理」も味を左右します。
生クリームは温度変化に弱く、室温に長時間置くとダレて食感が悪くなります。
食べる直前まで冷蔵庫(できれば5度以下)でキリッと冷やしておき、カットする際は、ナイフをお湯で温めて(45度くらいのお湯で十分です。熱湯だとクリームが溶けすぎます)、一回切るごとにクリームを拭き取るのが、断面を美しく見せるプロのコツです。
最近の高級ホテルや人気パティスリーのケーキは予約完売が非常に早いので、「11月中」の手配が鉄則ですよ。
カルディ食品で手作り料理を格上げする

全てを手作りする必要はありませんが、テーブルに並ぶものが全てスーパーの茶色い惣菜パックのままだと、さすがに少し寂しいですよね。
そんな時に頼りになるのが、輸入食品店「カルディコーヒーファーム」です。
カルディのアイテムは、味はもちろんですが、パッケージのデザイン性が高く、そのままテーブルに出しても絵になるのが最大の魅力です。
例えば、イタリアのクリスマスの伝統菓子「パネトーネ」。
大きな箱に入ったパネトーネを一つ置くだけで、テーブルに高さと立体感が生まれ、一気に海外のクリスマスの雰囲気が出ます。
また、冷蔵コーナーにある「ブルサン」などのフレーバーチーズや、生ハムの切り落とし、少し珍しいクラッカーを揃えるだけで、立派なオードブルプレートが完成します。
私がよくやるのは、カルディで買った美味しいパスタソースやトリュフドレッシングを使って、食材だけ自分で茹でたり切ったりして和えるという方法。
これなら、手間は「茹でる」「和える」だけですが、立派な「手作り料理」と言えますし、味は専門店のお墨付きです。
「1品だけ自分で手を動かす」あるいは「盛り付けだけ工夫する」。
このくらいのスタンスが、ホストとしての満足感と負担軽減を両立させるコツです。
映画や音楽で雰囲気を作るリラックス時間

食事が落ち着き、お腹も心も満たされた後の時間、いわゆる「食後酒(ディジェスティフ)」のような時間の過ごし方も大切です。
ここでテレビのバラエティ番組を流してしまうと、一気に日常に引き戻されてしまいます。
せっかくのクリスマスなら、映画を「環境映像(BGM代わり)」として流しておくのがおしゃれです。
『ホーム・アローン』や『ラブ・アクチュアリー』、『ホリデイ』といった定番作品は、ストーリーを真剣に追わなくても、クリスマスの美しい映像や音楽が流れるだけで画面が華やかになり、会話の邪魔になりません。
最近ではYouTubeやNetflixなどで、「暖炉の映像」だけを高品質で流し続けるコンテンツも人気です。
パチパチという薪の燃える音だけを流し、部屋を少し暗くして、温かい飲み物やワインを片手に語り合う。
そんな静かな時間こそ、情報過多な現代において最も贅沢な過ごし方かもしれません。
プロジェクターがあれば壁に投影するのも素敵ですね。
張り切って何かアクティビティをするだけでなく、あえて「何もしない時間」を共有するのも、大人のおうちデートや家族団らんには必要なピースです。
音量は「会話が自然に聞こえるレベル」に抑えるのが、心地よい空間を作るポイントです。
映える簡単レシピで食卓を彩るテクニック

最後に、高度な包丁技術や火加減がいらない、けれど最高に「映える」レシピを一つ紹介します。
それは「クリスマスリースサラダ」です。
作り方は驚くほど簡単。
大きな丸いお皿の縁に沿って、ベビーリーフなどの葉物野菜をドーナツ状にこんもりと盛り付けます。
そこに、星型に切った黄色いパプリカや、茹でて輪切りにしたオクラ(断面が星に見えます)、生ハムをくるくるとリボンのように丸めて飾り付けます。
仕上げに、赤い実である「ピンクペッパー」やミニトマトを散らせば、いつものサラダが立派なクリスマスリースに早変わりします。
盛り付けのコツは「対角線を意識すること」と「高さを出すこと」です。
同じ色の具材が隣り合わないようにバランスを見て配置し、平面的ではなく立体的に盛ることで、プロっぽい仕上がりになります。
また、お子さんと一緒なら「サンタピンチョス」もおすすめです。
イチゴ(帽子)、マシュマロ(顔)、バナナ(帽子の縁取り)を爪楊枝に刺して、溶かしたチョコペンで顔を描く。
火を使わないので安全ですし、自分で作ったものを食べる喜びは、子供にとって何よりのスパイスになります。
料理は味も大切ですが、クリスマスは「見た目の楽しさ」が一番のご馳走です。
ぜひ、工作感覚で楽しんでみてください。
まとめ:無理なく楽しむおうちクリスマスの過ごし方

ここまで、おうちクリスマスでの過ごし方について、遊び、空間作り、そして食の観点からお話ししてきました。
かつて厨房という戦場で、分刻みのスケジュールでクリスマスを過ごしていた私から最後に伝えたいのは、「完璧を目指さなくていい」ということです。
SNSで見かけるような、すべてが完璧にコーディネートされたキラキラしたパーティーを再現しようとして、準備で疲れ果ててしまい、当日は笑顔になれない。
それでは本末転倒です。
料理はコストコやカルディの力を借りてもいいし、ケーキは買ってきたもので十分。
部屋が多少散らかっていても、照明を落とせば気になりません。
大切なのは、その空間にいるあなたが、パートナーや子供、友人たちと心から笑って、同じ時間を共有できることです。
「楽をするための段取り」こそが、ホストにとってもゲストにとっても最高のホスピタリティです。
今年のクリスマスは、どうか肩の力を抜いて、あなたらしい温かい時間を過ごしてくださいね。

メリークリスマス!
