16歳で料理人見習いになりました
35年前ですが高校1年生の時レストランでウエイターのアルバイトをしていました時給410円
平日は18:00~21:30 日曜日は11:00~1時間休憩挟んで21:00まで働いていました
世間知らずの僕の目にはコックさんってフライパン振って、カッコイイし、料理するだけで楽な仕事だなぐらいの認識でした。後に地獄を見ます
当時1ヶ月ガッツリバイトに入って高校生には大金の8万円位の給料だったと思います。
色々あって学校中退しそのお店で見習いとして入社のお誘いがあった時、雇用条件の確認もしないで夕方からのバイトで8万だから社員でフルタイムなら倍の16万はあるだろうと皮算用して入社したのでした
。※このお店は会社で運営していて県内に10店舗あるうちの一つで新たに出店するから学校行かないのなら働かないか?と店長から話があったのです。
僕を受け入れる為に会社で一番のチーフ料理人が僕の勤務する店に異動してきました。
見習い初日に店に行くと全員(店長、社員の女性、チーフ、セカンドチーフパートさん)が今までとは全く違う態度で超恐ろしかったです。何かと怒られる。
どうやらアルバイトの時はお客さん扱いだったようです。💦💦
勤務時間も見習いは朝10:00~23:00のラストまでと言うことでした。
調理師見習いは仕事は見て覚えろ!
1二日目からいよいよ本格的に修行が始まりました。言われた通り10:00に出勤すると遅いとセカンドチーフに怒られました。見習いは誰よりも早く出勤してゴミ箱やダスターまな板をセットして掃除しながらチーフをお迎えすると教わりました。その後じゃがいもと玉ねぎの皮むきとダスターの洗濯の仕事が与えられました。料理は見て覚えろとのことでした。???教えてくれないの?
ランチタイムが始まるまでに自分の仕事を片付け、ランチの準備と仕込みに使用した鍋や釜の片付けをして開店後はライス、サラダ、スープの盛りつけと配下膳の手伝いと食器洗い、と鍋洗いをして14:00のランチ終了と共に賄いそして休憩ですが、自分の仕事が終わらないと賄いも休憩もありません。もう必死でした。
夕方休憩が終わるとディナーの準備です。チーフとセカンドはテキパキと仕込みをします。
二人共僕に指示はしてくれません。良く見ていて鍋やフライパンをさっと洗いに行きます。その合間に仕事をチラ見、でも怒られます邪魔、どけ、などなど💦💦
23:00で閉店するとチーフは帰ります、後片付けは最初だけはセカンドが教えてくれて翌日から一人でやるとのこと。教えてもらいながらでも二人でやると40分くらいで終わり帰宅しました。
かなり疲れたけど明日は教わった事を一人でやらないといけません。
遅くて間に合わない
翌日は少し忙しくてランチタイムは主にホールを手伝いました常連のお客様に「頑張れよ」と励まされたり「お金をもらいながら仕事を教えてもらえるんだからありがたいと思いなさい」と言われたり皆さまに気を掛けて頂き嬉しかったです。
仕事が遅くて洗い物も自分の割り当ての皮むきも終わらず皆が休憩している時に作業していたら店長が話しかけてくれました。早く出来ないのなら工夫しないと料理覚える時間なくなるよ。と確かにチーフは忙しい時間にしか居ませんのでその時間しか調理している所を見るチャンスはありません。
朝早く来て自分の担当の仕事を片付けるしかありません凄いことに気付いたようで次の日が待ちどうしくてワクワクしました。
翌日朝8時に店に行きセッティングと皮むきは終わらせておきました。チーフが出勤して来て褒められるかと思いきや電気代がもったいないと怒られました。orz甘かった━━━━!!
見習いになってからの初給料日
給料16万円と勝手に皮算用していた僕は給料の使い道を考えながらワクワクしてその日を迎えました。
店で皆さん店長から明細書を受け取っていましたが、店長からkotaは帰りなっ!とおあずけをくらいました。
そして片付けが終わった24時頃、店長と客席に二人で座り明細を受け取りました。
ワクワクしながら見てみると・・・・・・
68000円 ???
店長が哀れむような目で見つめて来ます。
そもそもこの会社に誘って来たのも店長だし飲食業は絶対潰れないから大船に乗ったつもりでいろよ
と言ってきたのも店長でした。仕事を覚えれば給料も上がるし俺も協力するから頑張れ
と言われましたがショックは大きかったです
朝8時から夜12時まで誰よりも働いているのにアルバイト時代よりも少ない給料で凹みました
そう言えば約1ヶ月間1日も休んでない事に気付きました😱😱😱😱😱
常連さんの言葉が身に染みるけど世の中の不条理を身を持って体験した日でした。
当時はまだブラック企業なんて言葉なかったし。
暴君がやって来た
そんなこんなで3ヶ月が過ぎ新店がオープンすると言うのでチーフとセカンドが新店に異動し違う職人がやって来ました。
その人は異動後の初出勤日にいきなりゴミバケツを蹴り飛ばしたり、フライパン投げたりと大暴れした挙句に俺のことを親方と呼べっ!いややはり兄さんと呼べっ!などと言い威張りだしたのでしたorz
確かに以前のキッチン2人と見習い体制から1人と見習い体制で負担は増えたけど・・・新店以外はどこも1人とバイトでキッチン回しているのだし僕だってバイトよりは仕事覚えて使えると思いますよ。と僕の心の声
でもこの方少し忙しくなるとテンパって手が震える有様で道具を投げる冷蔵庫の扉を乱暴に閉める菜箸でペシペシ叩くなど物や僕に当り散らすのでした。そのくせ僕が料理している所を見て覚えようとすれば横を向いて隠すし鍋に残ったソースの味見しようとすれば嫌がらせのように自分で洗ってしまうなど人間の小ささも天下一品の最悪暴君だったのでした。
職場放棄事件発生
飲食店を多く展開している会社だったので部長、課長、係長は全員料理人でイザとなればキッチンも出来る人達でしたしお店もステーキ店、中華、和食、洋食店、甘味処、ラーメン店、居酒屋と色々あったので手伝いと称して全部の店に手伝いに行かされ、それぞれの料理長に可愛がってもらいその時に和食や中華も覚えました。だから暴君に教わらなくてもメキメキ仕事は覚えることが出来ました。
入社して1年経ったある日ディナーもそろそろ終わる21時頃8名様位の家族連れのお客様が来店しました。
暴君はピーク時間過ぎてホッとしていたのかそのお客様を見るなり急にイライラし始め訳のわからないことを言って僕に絡んで来たのです
そして表に出ろと怒鳴り外に連れ出されました。殴られるのかと身構えたところへ店長も心配して見に来てくれました、店長を見た暴君は殴るのをやめて僕に帰れっ!と怒鳴りました。しかし僕は絡まれただけで帰る理由もないので反抗して嫌ですと言いました。
すると興奮した暴君はお前が帰らないならオレが帰る!と店長の制止も振り切って車で走り去っていってしまったのです。笑
残された僕は店長と二人で先ほどの8名の家族の注文された料理を作って出しました。
ひょんな事からお客様にお料理を提供するデビューを果たしたのです。さらにお客様に「ご馳走様おいしかったよと言ってもらえました」その時の感動は今でも覚えています。
今思い返せばひどい料理でした。その時のお客様ゴメンなさいm(_ _)m
この職場放棄事件のせいで又料理長が変わりました。
今度は30代の、でも入社10年の若手のホープです。その方とは年齢も近かったので気を許したのですが無口な職人だったので何を考えているのかわからないところが緊張ポイントでした。
一度ふざけて絡んだら胸ぐらを掴まれふざけるなっ。と凄まれたことがありました
。やっぱり若くても職人はメンドクサイです。💦💦
料理人見習いには2年間休みが無かった件
会社の方針でしっかり皆で休みを取ろうという事になりました。人が少ないので休むために係長が料理長の休み交代で巡回し部長が店長の休み交代で巡回して交代で店長と料理長は休んでいました。
見習いで仕事を覚えて楽しくて仕方がなかった僕は積極的にヘルプの申し出を引受けて中華、和食業態に週1~2回行き更に早番の交代で夜8時に他のステーキ店に行きそこの料理長を帰らせる事をしていました。他店のチーフの仕事や冷蔵庫の中、清掃のキレイさなどとても勉強になっていました。
先輩の職人の中には「お前いい気になるなよ」とか「見習い小僧の癖に」とか目をつけられ文句を言われることもありましたが小さい人たちだなと気にもとめていませんでした。
そんなある日店に係長から電話がありkota君2年間休みとっていないのが問題になっているから来週休めと命令が下りました。別に残業手当が出ている訳でも無いのに問題だなんて大げさだなぁと思いつつも内心嬉しくて休みには何をしようかと約1週間ワクワクが止まりませんでした
そして1週間後、休みの前日にルンルンで片付けしていたら係長から電話があり「○○さんのお子さんが倒れて休ませなきゃだから明日の休みはナシでっ!」とサヨナラ逆転満塁ホームランを喰らったピッチャーの気分を味わせて頂きました!😱😱😱
理不尽すぎるー
これ作り話ではなくて実話ですよ。
でも当時はブラック企業なんて言葉無かったんです。
ついに料理人見習い卒業か一人でお店を任されました
3年目になり最後に出店した店の売り上げが伸び悩んでいる事と、ある大型店の改装をすることになり大規模な異動がありました。
僕は車の免許も取り車で通勤していましたので通勤の障害も無くなくなっていたのでキッチンを一人で任せてもらえることになりました!
祝!見習い卒業~(・ω・ノノ゛☆パチパチ
確か6月だったと思います。
これでやっと給料も1人前にもらえるとほくそ笑んでいました😆
もちろんそれまでも1年に1度昇給があり毎年5000円くらいは総支給は増えていましたが2年目からは住民税が引かれるとかで実質の手取り金額の上昇は微々たるものでした。
それから2ヶ月経っても給料が増えないので、店長の休みの交代で来ていた部長にそれとなく勇気を出して聞いてみました「あのーしょしょ昇給はないんですか?」すると部長曰く「kota君当社の昇給は5月だよっ。」
またもや理不尽を味わう僕でした Ω\ζ°)チーン
まとめ
- 職人は上下関係が厳しい
- 見習い料理人には労働時間なんて関係ない
- 見習いの給料は激安
- 一緒に働く職人の性格で環境は変わる
- 料理人の修行に終わりは無い
昔だからと言ってしまえばそれまでですが、今でも職人気質の人の割合が多い業界ですのでまだまだホワイトとは言えません。
飲食業は製造販売業なので、忙しいと材料がなくなり仕込みも増える洗い物も増えると倍々で仕事量が増えます。逆に暇だと掃除しか仕事が無くなるなど極端に差があるので簡単に人も増やせません。
ブラックが宿命の業界が飲食業です。
でも今は料理人の世間の評価も上がり社会的な地位は昔よりずっと良くなりました。
昔は飲食業は水商売と言われ信用がなかったのです。底辺の職業扱い。
なので結婚や車の購入、アパートを借りるのにも苦労しました。
今は拘束時間は長いけど休みあるしねっ(*^^)v
そんな見習い時代のお話でした。
終わり
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